腰痛・急性腰痛症・ぎっくり腰について

  • 急性腰痛症はぎっくり腰とも言われ、西洋医学では診断名の付かない急性の腰痛をひとまとめにして急性腰痛症と言っている。徒手医学(療法)では、急性腰痛症を様々な角度から観察分類している。
  • その他、腰痛は現在の医学(医療)では整形外科など受診しても原因不明で原因が分からない痛みが多い事が特徴です。徒手医学(医療)の分野でしか対処できない症例も多いです。長く症状が治まらない場合は是非当院へ来院してみてください。

腰痛症の原因、病理など

(1)皮膚のフィクセーション

正常では皮膚と皮下組織との間に滑動性がありますが、腰背部で皮膚の滑りが制限されると腰の動きを制限し腰痛を引き起こします。

(2)筋膜の乱れ

例えば同じ姿勢をしていて急に姿勢を変えると伸びていた筋膜が筋の収縮に合わせて縮まらずシワになったりして、筋が正常に収縮出来なくなって腰痛を引き起こします。

(3)筋のセンサー(受容器)の異常

筋には多くのセンサーがあり、様々な所から信号が送られてきて、筋の緊張状態をコントロールしています。ところが時として間違った信号が伝わってきて、筋にアンバランスが生じ腰痛を起こすことがあります。その原因として多いのは、その筋が作用している関節のズレ、支配神経の問題、足部の骨のズレによる歩行反射や姿勢反射の異常、首の骨のズレからくる緊張性頸反射の異常、内臓から来る内臓体性反射の異常などです。その他、打撲や外傷を受けてセンサーが狂う事もあります。

(4)関節のズレ、機能異常・障害

突発的な動きや外力や筋のアンバランスなどで特に椎骨(特に腰仙部)や仙腸関節が引っかかったり動き難くなったりします。

(5)関節包の関節間への陥入

関節を包む袋が関節の間に挟まってしまう事があり、挟まると関節が動かなくなってしまいます。

(6)靭帯の損傷

時として靭帯を損傷する事があります。

(7)椎間板損傷

椎間板ヘルニアと言えないまでも、椎間板を損傷している事があります。損傷を繰り返してやがてヘルニアに移行していきます。

(8)椎骨の損傷

圧迫骨折と言えないまでも、椎骨の損傷が疑われることがあります。また肋骨突起と言う椎骨になる突起が骨折する事があります。

(9)脊髄硬膜の乱れ

筋膜と同時に引き伸ばされていた硬膜が捻じれたり、引っかかったりすることがあり、著しく腰の動きを制限します。

(10)その他

施術の紹介(あくまでも一例です)

腰部に痛みやしびれなど何らかの悩みがある場合は、基本的には一番初めに最も問題が多い腰仙部への関節の機能回復を図る為の施術は必修です。以下に施術例をいくつか紹介させて頂きます。

(1)皮膚のフィクセーション

スキンローリングと言うテクニックで皮膚を皮下組織から引き離すようにし、皮膚の滑動性を回復し、また皮下リンパの流れを良くします。

(2)筋膜の乱れ

体表からの浅層~深層へのマッサージ手技で、筋膜の乱れを整えていきます。

(3)筋のセンサー(受容器)の異常

足に問題があれば足部の矯正をし、首に問題があれば頸椎の矯正だけで腰痛が治まります。また内臓マニュピレーションで腰痛が治まることも多いです。その他、センサーを直接リセットするテクニックもあります。

(4)関節のズレ、機能異常・障害

外力が原因で関節に引っかかりやズレが生じた場合は関節アプローチや矯正(カイロプラクティックやオステオパシー)すれば良いのですが、筋のアンバランスが原因の場合はその原因を治療しなければ関節の引っかかりやズレは繰り返します。

(5)関節包の関節間への陥入

関節を開くようにするテクニックで挟まった関節包を外します。

(6)靭帯の損傷

靭帯の乱れを整え、靭帯が癒合するまで固定します。

(7)椎間板損傷

椎間板が圧迫状態になっていますので手技的に牽引を施し椎間板を伸ばします。

(8)椎骨の損傷

骨が硬化するまで固定します。

(9)脊髄硬膜の乱れ

硬膜を引き伸ばす手技を施します。また椎骨がズレると硬膜が引っかかる事があり、その場合は椎骨を矯正します。

※以上のような様々な原因が単独でまたは複数の原因が重なって腰痛を引き起こしています。筋肉が緊張しているからマッサージして柔らかくするとか、痛みや炎症を注射や投薬で抑えるといった対症療法だけでは臨床上完全に回復する事も少ない為、当院では徒手療法(一部機器・器具使用)により根本的に原因を取り除くことによって治癒を図るように努めています。